街中では基本いっつもぶっ殺す覚悟
物騒だけど違うよ、気持ちの話。
都内は殺伐としてるから。
駅とか繁華街の道端とか喫煙所とか。
女性からの視点はよく分からないけど、少なくとも男の視点から見ると都内を足早に一人で歩いてるときは常に脳内は戦状態。
行き交う人の数が多いから、多分明確な言葉にすらなってなくて、イメージとしては雑踏の中で赤とか黄とか青とか色がパッパッと脳内で2フレぐらいで瞬時に次々と切り替わってるぐらいな感じなんだけど。
赤=強そう、デカイ、怖い
黄=大体自分と同じくらい
青=弱そう、ひょろい、ワンパン
都内を一人で歩いてる時の男ってさ、色んな意味で大抵余裕ないからさ、多分道で向こうから歩いてくる足早の男とすれ違う前に、大体こーゆー風に瞬時に色レベルで大雑把に相手を判断してる気がすんだよな。通勤時、退勤時の俺も含めて。
狭い道でザイル系のガタイいいツーブロックゴリラで身長185センチくらいのグラサンかけた奴がオラついて歩いてたら、もう20メートル前あたりから赤点滅してるし、やっぱ擦れ違う時に大抵は自分から避けるわけよ。
でも神木隆之介くんみたいな、小池徹平みたいな、線が細くて身長160後半〜170前半みたいなのが向こうから歩いて来てたらもう20メートル前から青が点滅してるわけ。まあ残り5メートルくらいの時点で相手から避けようとする素ぶりや譲歩の意思がほんの僅かでも伺い知れたら、当然こっちも肩を避けるわけさ。それはもう当然、大人ですから。
でも、相手が微動だにせずガン無視直進の姿勢を貫いてたりするとこっちも、「ほーん、雑魚がイキっとるやんけ」って直進のまま肩ぶつけてオラァって進むわけ。もうさ、その時に覚悟は出来てるわけよ。相手がもしその後に「チッ!ッテーな!」とか因縁つけて来たら、「ンダトコラボケコロスゾ(高速詠唱)」が即座に解き放てる状態。
こーゆーのが渋谷道玄坂とか新宿靖国通りとか電車の乗り降りとか駅構内とかで歩行中に常に繰り広げられてるわけさ。んで人多いから上の判断を多分みんな瞬時に毎0.2秒以内とかに次々と行なってるわけ。
で、実際は「ッテーな!」も言われないし、「ンダトコラボケコロスゾ」も詠唱しない。95パーくらいの確率で。仮に肩がぶつかったとしても振り返りもせず互いにただ脳内バトルで勝手に勝利してそのまままた一歩一歩会社に向かって歩くわけ。
修学旅行中に他校の生徒と集団ですれ違う時に「ア、テメドコチューダヨ?」「ダコラメンチキッテンジャネーゾ」っていう皆が思春期に絶対やったムダなやつあるじゃん?
あれが、1対1で、手を出さず、言葉にすら出さず、無言のまま1秒以内に認識の世界の中だけで始まって終わっていく…そんな感じだろうか。
で、また1秒後には目の前まで迫り来ているリーマンとそれをするわけ。それを延々と繰り広げながらオフィスに辿り着くわけ。
で、オフィスに辿り着いたらそこはもう知り合いしかいない。立場の世界。理性の世界。日常の世界。社会人の世界。動物の世界は終わりになる。
馬鹿みたいでしょ?でも都内って常にこーなってる気がすんだよな。スーツ着たどっかの部長やってそーな貫禄ある中年オッサンとかも多分みんな毎日こんなことやってるよ。
たまーにこれが5パーくらいの確率で確変入るといい歳したリーマン同士でドロップキックし合うイベ発生したりして電車遅れるんだよな。
だから「筋トレは最強のソリューションである」って本が売れんだよ。