冷凍都市のくらし、アイツ姿くらまし

独立して5年経った個人事業主のあれこれ

こういう時に困る自営と困らない自営

困らないのは、固定費が極力削れてる業種だ。

 

今回のコロナ騒動で改めて思い知らされたけど、やっぱ人・物・金・土地がベースに必要となる商売って相当リスク高いわ。

 

薄利多売で大量の在庫が必要な商売は、営業できない時には、その原価が。

人を雇ってないと回せないような商売は、営業できない時には、その人件費が。

土地や店舗、倉庫が必要な商売は、営業できない時には、その地代家賃が。

多額の原資が必要な商売は、営業できない時には、その返済が。

 

丸々全部損益に直結して大ダメージになる。

 

それらは固定費だから常に売上が必要になる自転車操業にどうしても陥りがちだ。

 

上記要素全てが必要となる飲食業などはまさに最たるもので、今回みたいな騒動があると1~2ヵ月であっという間に首が回らなくなる。

 

その点、例えばインターネットで何らかのサービス・創作物を販売している業種は強かったりする。

 

アフィリエイトだったり、動画だったり、文章だったり、イラストだったり、音楽だったり、プログラミングだったり。

 

正社員を雇わずに、精々必要な時に楽をする為に外注を使うぐらいで、究極的には一人で商品を生み出せて回せてしまうスモールビジネスだと、これは特にかなり強い。

 

まず人件費が一切かからない。誰しもが生きる為に支払っている自分一人の食費と住んでる家の家賃だけ払えればそれでいい。もし実家暮らしならそれすらもほぼ0円に出来る可能性もある。

 

しかも商品となるサービス・創作物は自分の技術・知識で作り上げるのだから原価が全然かからない。なので当然、運転資金となる多額の原資を借り入れる必要もない。

 

さらにインターネット上のサービス・創作物って大抵が無形物(データ)なので、まず在庫という概念がない。一たび商品が完成してしまえば、それだけで無限にバラまける。(勿論、大抵の場合は その他の商品も常に生み出し続けなければならないが)

 

加えて、商品を客に販売・提供する為に人と場所を用意する必要もなく、自分の時間を使う必要もなく、プラットフォームに商品を登録したらそれでおしまい。自分は何もしなくても24時間web上で勝手に商品が販売され続ける。

 

その為、商品を提供する為に立地を考え抜いた不動産を借りて高い地代を払う必要はどこにもない。少なくともプラットフォーム使用料(地代)は大抵が販売後のレベニューシェアモデル(売上の割合に応じた手数料)なので地代と違って、売れなきゃそもそも1円も発生しないのがでかい。

 

勿論、自分一人でやっているのだから自分の体や技術が資本なので、それが失われれば終わりになるが、それは別に雇われ人でも他の業種でも大抵同じな気がする。

 

一番のリスクといえば、依存している販路であるプラットフォームがなくなったり、そのプラットフォーム内の規約が大きく変わる可能性だ。

 

例えばgoogleが潰れたり、youtube内の規約変更により広告が突然つかなくなったり、amazon、LINE、メルカリ、ヤフオクSHOWROOM、noteみたいなサービス自体がなくなってしまった場合だ。

 

そういう事態が起きた時に、自サイトを立ち上げて直販でやっていけるくらいには自らの商品・サービスに固定ファンを抱えていないと即死亡というのが一番のリスクかな。

 

ただ、もし規約が変わったあるいは潰れたとしても、そのプラットフォームの競合が他社で存在しているのであれば、そこに降ろせればそれだけで済むケースもある。

 

あとは人・物・土地・金などの固定費を極力削減できるので、どうしても経費が少なくなり、必然的に節税がしにくい=税金を沢山支払わないといけないみたいなデメリットはあるけども、そこは確定拠出年金だとか小規模共済制度を上手く使えば多少は節税できる。

 

というわけで、やっぱり一人で出来るインターネットを介したスモールビジネスってリスクは相当少ないので、多少軌道に乗れば自分一人で生きていくぐらいなら結構お気楽になれる部分はあるかもしれない。

 

・あー、今月20万しか売上なかったわー

→金使わず家でダラダラして過ごしてれば成り立つ。

 

・おー、今月50万売上あったわー

→豪遊するも貯蓄するも自由。

 

固定費がかからないって最高だよね。でも、これでもし店舗借りて毎月15万かかってたり、原資の返済額が毎月10万だったりしてみなよ。

 

・あー、今月20万しか売上なかったわー

→経費25万の時点で大赤。貯金削らないと生活できない。

 

・おー、今月50万売上あったわー

→利益はたったの25万なので豪遊も貯蓄も不可。

 

その差は歴然、というか店舗借りたり資金借入してる時点で、こんな超小規模経営を目指すことはそもそも許されないわけで、そうなると必然最低でも何百万って売上を作る為に「沢山の人に売らなきゃいけないので沢山商品を入荷します」「沢山の商品を捌かなきゃいけないので人を雇います」ってなっていって、より自転車操業リスクが増すわけですね。

 

本来であれば、あくまで現状一人でも十分回せているけれども、これからの更なる事業の拡大の為に人や物を増やしますって形が望まれる形であって、しかも人に至っては同じ個人事業主への外注って形を取れば更にリスクは削れるわけで。

 

だから、コンビニオーナーとかは本当に最悪だよね。

 

もうスタートの段階から本部からはいらない商品押し付けられまくって、バイト何人も雇ってなきゃ回んないし、借入返済もあるし、何なら途中で閉めても違約金もあるし。

 

逆に言えば、そういうあらゆるリスクを全てオーナーに押し付けているからこそ、本部は濡れ手に栗状態で儲かるわけで。

 

なので、手堅く副業として始めたり、あるいは、とりあえず「起業した」って肩書が欲しいのであれば、インターネットビジネスはやっぱり優秀ですね。