冷凍都市のくらし、アイツ姿くらまし

独立して5年経った個人事業主のあれこれ

ネットに顔を晒すことはAV出演と同義だった

twitterfacebook、インスタで国民誰しもが、自ら情報を発信するようになって久しい。

 

それどころかyoutube、ニコ生、SHOWROOMLINE LIVE、ふわっち等では誰でも自分を映した動画をまるで芸能人のように生配信できる時代である。

 

自らの顔や個人情報を積極的に発信していき、それを直接的にしろ間接的にしろビジネスに繋げていくという手法は、現在では王道であり、もはや常識にさえなりつつある。

 

しかしながら、その風潮にどこか眉を顰めざるを得ない年代の人間もいる。

 

多分、今の30代から上の世代だ。

 

というのも、俺が今30代で、「もし今、これから確実に儲かったり、とても素敵な新たな人間関係を築けたり、可愛い女の子にモテるとしたらインターネット上で自分の顔や個人情報を晒しますか?」と聞かれたとしても、絶対にイヤだと思うからだ。

 

自分がそうだから皆がそうとは勿論言えないので、ただの予測でしかないが。

 

今の30代が10代~20代前半くらいの頃は、それこそネット上で一般人が炎上しまくっていた。

 

そこらの学生や社会人が2chで特定され、晒され、釣られ、コラ画像を大量に作られ、mixiの魚拓が貼られ、リベンジポルノが発生し、ウィニーで流出したエロ画像・動画が拡散され、ネット上で祭がよく起きた。

 

まあ今も勿論そういうことは毎日沢山起きているのだが、その頃はようやくニコニコ動画がまだ発足2~3年目で一部実況配信者や歌ってみた系の連中が持て囃されるようになっていたぐらいで、その数もそこまで多くなく、まだ今のヒカキンのような億万長者やとてつもない成功者というのも、ほぼいなかった。

 

つまり、ネットに顔を晒すということは、メリットよりもデメリットの方が遥かに大きかった。

 

当時ひたすらROMっていて、ありとあらゆる人間達がネット住民たちのオモチャとして使い捨てられていく様を見続けた(ある意味傍観者として楽しんでいた)自分は、誰に教えられるでもなくこう思った。

 

「ああ、ネットに個人情報なんて何があっても晒すもんじゃないな」と。

 

それはもう禁忌に近かった。それこそ自分がいきなりAVに出演して自らのケツの穴を広げて日本全国に放送されてしまうような、そういう「この世の終わり感」があった。

 

その頃の自分にとって、ネットに顔はおろか個人情報を絶対に晒さないということは、もはや「帰宅したらちゃんと家の鍵を閉める」ぐらいの超常識となっていた。

 

ところが、今は冒頭の通り、ネットで個人情報を晒すことは、もはや当たり前となっている。

 

そこらの小中学生達が放課後趣味で配信をするくらいに若い世代にとっては身近な存在になっているし、何かしらでバズって、自らをブランディング化できる人間だけが、より儲かり、より良い循環を生み出し、高みに昇っていける、そういう時代だ。

 

だが、そこに自分はどうしても抵抗がある。

 

そういう人達を否定しようとは思わないどころか、ある意味尊敬すらしているが、自分は絶対に嫌だ。

 

時代が変わっても、自らの常識が、あの当時のまま固定化されてしまい、絶対的な常識としてもう根付いているからだ。

 

昭和の時代は「TVを見ているとバカになる」「漫画を見ているとバカになる」「ゲームをしているとバカになる」とよく大人たちに言われていたが、その当時の大人たちもそういう常識に囚われていたのだろう。

 

自分はそれを「何を。そういったコンテンツから自分は沢山のことを学んできた」と鼻で笑っていたのだが。

 

きっと、今の若い子たちも、俺の考えを聞いたら同じように鼻で笑うのではないだろうか。

 

そういう意味で、今の10代~20代と、30代以上との世代では「ネットで自らを配信する」という事に関して、隔絶した絶対的な価値観の違いが存在していると思っているが、どうだろうか。

 

しかしながら、これからもネットがあり続ける限り、この風潮に歯止めは効かないだろう。

 

情報を制すものが戦を制すと同じように、ネット配信を制したものだけが勝ち残っていける社会になっていくだろう。N国立花の戦略なんてモロにそれだ。

 

言い換えれば、ネットや直接的な人間関係でのあらゆる悪意に耐えられるメンタルこそが、今成功するために最も必要な能力なのか。