冷凍都市のくらし、アイツ姿くらまし

独立して5年経った個人事業主のあれこれ

既婚も未婚も男はたいてい孤独になっていく

ママ友たちとコミュニケーションを取っている嫁を見ると、凄く実感する。

 

あー、男って…というか、少なくとも俺は年齢と共にどんどん孤独になっていくんだろうなぁと。

 

別に嫁に構って貰えなくて寂しいとか、そういう話では全くない。

 

嫁やその周りのママたちを見ていると思うのだが、女性は年齢差をあまり気にしない。

 

初対面の相手と10歳ぐらい年齢が違おうが、平然とすぐ互いにタメ口になって対等に世間話をしたり旦那の愚痴を笑い合いながら零していたりする。

 

これが男同士の場合だと、どうだろう。

 

例えば俺は今33歳だが、相手が43歳なら心のどこかでは会社の上司や先輩と接するような少し謙遜した態度が節々に出るだろう。勿論余程のことがない限りは常に敬語だ。

 

逆に同じ環境の22歳が相手なら、常に敬語であったとしてもやっぱりどこか会社の部下や後輩に対してのような、良く言えば可愛がる心境、悪く言えば少し舐めているような心境になりがちだ。

 

男性はどうしても「年齢」をある程度「社会的地位」に変換させて、そんなバイアスを通じて同性を見てしまう。

 

体育会系のように明確に上下関係があるわけでないが、少なくとも初対面の10歳下が打ち解けて割とすぐタメ口を利いてきたら「失礼な奴だな」と思うし、逆に打ち解けても10歳上にタメ口を効こうとはまず思わない。例え年齢がタメだったとしても、友達というより、あくまで比較的仲の良い取引先という感覚が近いだろう。

 

多少固っ苦しい礼儀というか、マナーというか。そういうものは付き合いに欠かせない。パパ友なんかがいる場合、そんな感覚の人は多いんじゃないだろうか。

 

ところが、冒頭にある通り、女同士だと「社会的地位」云々という要素は全然なくてどっちかと言うと「同じコミュニティに所属する一員同士」という意識が強い。

 

まあ地域や子供の年齢次第では世間一般的に言われるママ友カーストみたいなものも出来てくるのだろうが、少なくとも子供がまだ幼児であるウチの場合は、今の所そういったものとは無縁だ。

 

だから、女同士だと「何かあったら助け合いましょう」みたいな感じで割と頻繁にママ友コミュニティでワイワイとやり始める。あくまで互いに「ママ」という立場があってこその関係だが、割と思春期時代の友達関係に近いものはそれなりにあるだろう。

 

でも男同士だと友達同士って感じには中々ならない。やっぱり職場や取引先の人間に対してみたいに、どこかで一線を引いてしまう。

 

マイルドヤンキーみたいに学生時代の友人関係がずっと色濃く続いているなら、その中では勿論昔の感覚のまま友達同士なのだろうが、田舎に比べて都会寄りの地域では学生時代の交友関係がいつまでも濃く続いているケースはそんなに多くないだろう。

 

女は多分何歳になっても気楽にコミュニケーション相手を自分の生活圏内の周辺で見つけてくるし、その中で対等な関係を築くのが早い人が多い。実際、公共の場でオバサン達が集団でペチャクチャしてても周囲の人達は何も思わないだろう。よく見る光景だ。

 

ところが、男はそうはいかない。

 

まだ何も持たなかった学生時代は集団でつるんでいた男達も、独立して社会人になって家庭を持つような年齢になると、社会的地位を背景にしたプライドをそれなりに持っているので、いくら似た境遇だろうと、他人とあまり私生活で馴れ合わなくなる。

 

っていうか、とっくに引退したジジイの年齢ならともかく、30~50歳くらいの会社で係長~部長やってそうなオッサン達がプライベートに公共の場で集団で学生みたいにワイワイはしゃいでたら、なんかキモいだろう。いい歳してみっともない。

 

そういう世間の目も、多少は関係ある気がする。

 

気付けば、還暦を迎えた妻にとって旦那は「沢山あるコミュニケーション相手の一人」となり、還暦を迎えた旦那にとって妻は「会社での付き合いを除けばほぼ唯一のコミュニケーション相手」となっているケースが多い気がする。

 

そして、そのまま定年を迎えれば、拠り所であった「社会的地位」も綺麗さっぱりになくなり、目出度く「ほぼ誰からも相手にされない孤独なジジイ」の出来上がりである。

 

旦那が死んでも人生を笑顔で謳歌する妻は多いが、妻が死んだら無気力になって自分もすぐ死んでしまう旦那は多いのだ。

 

そして、「寂しい」という感情は、本当に厄介で、これほどまでに年齢によって受け手の印象が変わるのに、ほぼ全ての人間が疾患する可能性のある「病」は他にないんじゃないかと思う。

 

10代~20代の若者が「寂しい」と言えば、周囲は共感・同調してくれるし、場合によっては誰かがすっ飛んで来てくれたりする。要は関心を持ってくれる人間がまだまだ多い。

 

でも中年~老人が「寂しい」と言っても、キモいだけだ。誰も近寄ってくれないし、近寄って欲しくもないだろう。それどころか、犯罪者予備軍みたいな扱いをされることさえもあるだろう。

 

つまり、「孤独なオッサン」はもう救われないのだ。

 

人生でキラキラと光り輝く10代~20代はあっという間で、それ以降の淀んだオッサン期の方が、人生では遥かに長い。

 

多分30代前半の俺も、本当は今の内から孤独を遠ざける為に色々努力をしていかないといけないんだろう。老後資金を貯めるように、少しずつ。

 

でもさー、イイ歳して「仲間!友達!」とかキモくない?っていうか若い時は全然許されるどころかエモいとか言われるようなものでも、オッサンになると途端にその言動が基本的に全部キモいになっちゃうのってマジで何なんだろうね。

 

自分に対して、どうしてもその感情が拭えなくて中々行動に移せないわ。