「手取り15万円」のトレンド入りについて
twitterでトレンド入りした手取り15万円について。
俺も、もっと賃金は全国的に上げるべきだと思う。
でも自分のことを考えると中々胸が痛くなってもくる。
例えば、仮に今、オレが完全に個人だけで月100万円稼いで
月80万円出費するような生活を送っているとしよう。
で、もっと稼ぎたいなーと思っても、たかが人間一人が
自分の時間を切り売りして手を動かして稼げる額なんて、
余程の才覚がないと、やっぱりある程度決まっていて、
今まで通り俺一人の力だけじゃ稼ぎを月200万とか300万とかに
ポンポンと増やしていくのは、結構難しいなと凄く実感している。
で、そうなると、必然的に人手を増やそうという思考に至る。
俺が今やっていることを、賃金を払って他の誰かにそのまんまやらせるのだ。
そうすると、俺は一カ月間丸々手が空くことになる。
その空いた手で、また新たな仕事を見つけてきたり、
今の仕事自体の分量をもっと増やしていったりするわけだ。
要は事業の拡大フェーズに当たる。
で、俺が最初に雇うその人の給料なんだけど、やっぱり多分20万になる。
俺が一人で100万稼ぐ仕事を、そのまんまの質・量でこなさせているのに、
その人は給料20万円しか貰えないのである。
何故なら、それ以上払うと俺が生活できなくなるからだ。
え?生活費を40万に減らせばいいって?ヤダ(即答)
それに、俺が空いた手で探し回った挙句、新たな仕事が生まれればいいが、
生まれないかもしれない。
産まれても半年間も1年間も、1円も利益が出ないかもしれない。
下手したら赤字になるかもしれない。
必然的に新規事業っていうのは、そういうリスクが常につきまとってくる。
また、新たな事業には手を出さず、単純に今の仕事量を増やしたとしても
それまで1人100万だった稼ぎが、仮に2人で150万円に増えた場合、
雇う人間に40万~50万も支払ってしまうと残りは100万円だ。
つまり、俺個人としては、今の稼ぎと全く変わらないということになる。
リスクのことを考えたり、あるいはリスクが極力なかったとしても
少なくとも二人でやってる意味をそこに見出そうとすると
支払額はやっぱり20万円以下になっちゃう。
それ以上出すなら、今のまま一人でやっている方が得ということになる。
という話なのだが、当然20万円で雇われている人にとっては物凄く割に合わない。
だから、人を増やすには100万の稼ぎを150万にするくらいじゃ全然ダメで、
少なくとも200万や300万にしないといけないわけだ。
そうしたら、俺が150万~200万取ったとしても、
雇っている人にもしっかり毎月50万~100万円を渡せるわけだ。まさにwin-win。
でもそう単純にいかないんだよね、大抵。
人が増えたからじゃあ利益も即2倍だ3倍だってのは大抵無理だ。
っていうか、人によっては自分が今やってることを20万円で
そのまま人にやらせて、自分はもう事業の拡大も何もしないで、
ニート同然に80万円稼ぎ続けることも可能なわけで。
そうなると完全なる「搾取」の完成だ。
やっぱ人間、楽して稼ぎたくなっちゃうし、一回その立場になったら、
もうその既得権益を絶対に手放したくなくなっちゃうからね。
その雇われている人を散々使い潰して、もし再起不能になったら
また代わりになる新たな人員を連れてくるだけ。
こうして世の中のブラック零細企業は回っているのだろうか。
要は経営者が楽する為に他人を生贄に捧げている状態だ。
まあこれからは今まで以上の急速な人口減で、こういう舐めた雇い方を
している零細は人が全然集まらなくなってそのまま潰れまくっていくと思うけど。
でも例えば、仮に毎月の売上100万で同業界の零細会社が
A、B、C、D、Eと5社あって、
それ以外には月売上1000万の大手のF社があったとして、
A~Eの5社が全部潰れてそこで働いてた人がF社に採用されたとして、
F社はまるで合併後のようにA~E5社分の業務も請け負うことになって、
月売上がそのまま1500万に増えたとして、じゃあ再雇用された元A~E社員の
給料が前と比べて目に見えて増えるかというと、やっぱり増えないと思うんだよね。
まあF社のノウハウでそれが2000万、3000万に増えるようになっていたら
また違ってくるかもしれないけど、世の中そんな優秀な会社ばかりではない。
なんだかなーって思う。
俺は鬼畜生になれないので、そう簡単に人は一人も雇えないです。