冷凍都市のくらし、アイツ姿くらまし

独立して5年経った個人事業主のあれこれ

生き甲斐があると家庭を持たなくなるものだろうか

やりたいこと、ありますか?

 

例えば世界一周旅行に行きたいとか。

一周じゃなくてもいいけど、どこかの国に住んでみたいとか。

ワーキングホリデーに行きたいとか。

 

小説家になりたいとか、俳優になりたいとか。

その為に毎日のように稽古に行ったり、何万字もプロット書いてますとか。

 

とにかく毎週のようにサーフィンやってますとか、山登ってますとか。

一人もしくは仲間同士でキャンプしまくってますとか。

とにかく国内旅行が大好きだとか、仲間とツーリングしまくってますとか。

 

とあるバンドやアイドルの追っかけやってますとか。

 

何でもいい。凄くハマってる趣味。

もうこれが無いとボクワタシ生きていけない!みたいなモノ。

 

俺は特にないんだよね。

 

学生時代は複数バンドやったりショーに出てみたりしたけど。

 

ちょっと危ない系のも含めて色んなバイトやったり。

 

就活のネタ作りの為だけに柄にもなくボランティア活動とかもやってみた。

 

アニメも漫画も読書も映画もゲームも鑑賞しまくった。

 

好きだったから服も買いまくったし髪も月一で奇抜な色に染め直していた。

 

一時期は一人でも友達とでもクラブばっか通ったりもしてみた。

 

遊びなのも本気なのも含めて恋愛も多少は経験した。

 

まあ、それなりに青春を謳歌した。

 

でも、約10年前、22、3歳あたりで社会人になってからは、やりたいこととか趣味らしい趣味とかほぼなくなった。

 

精々、据え置き用ゲームを週に数時間やったり、1ヶ月に1、2回漫画の新刊買って読んだり、たまに飲み行くぐらい。

 

なんだろう、凄くよくあるパターンだと思うんだけど、仕事するようになったら必然的に学生時代と比べて自由な時間が激減するようになって、そうすると今まではあれもこれもと手を出していたことが、ほぼ出来なくなる。

 

必然と迫られる取捨選択の時。

 

そこで気付くんだよな、ああ俺にとってアレもコレも別にそんな大事じゃなかったんだなって。

 

だって、別にやらなくても生活できるもん。

 

そうして一つ一つの事を削ぎ落としていくと、案外何にも残ってなかったりする。

 

仕事がようやく終わって解放感に満ち溢れた週末の土日の中で、重たい体や面倒くさい気持ちを吹っ切ってまで、どうしてもやりたい!という事の少なさ。

 

しかも、不思議なことにそうやって切った何かは、もうそれ以降どんなに時間があったとしても、もう以前と同じようにやりたいとは全く思わなくなるという。

 

結局ネット見ながら酒飲んだりする程度のことに一番幸せを感じてしまったりする。

 

という生活を続けてきて、「うーん、言うて当時やりたいこととか何となく興味があるようなものは学生時代にそれなりにやってきたしなー、もう金稼ぐぐらいしか今はそこまで興味ねーや」となっていたのが、社会人5年生を迎えた27ぐらいの時。

 

そんなこんなで会社を辞めて独立して、その後すぐに結婚して子供が生まれた。

 

でも、もし自分が幸運にも冒頭に書いたような、生き甲斐とも呼べる趣味を20代後半になっても強く持っていたら、結婚…というか子供を作っていたかどうかは結構怪しい。

 

だって、子供生まれたりしたら、もう絶対しばらく趣味だけに生きるような生活って出来なくなるじゃん。それに耐えられなかったと思うんだよね。

 

ただ、俺の場合はそういうのがなくて、漠然とただ自由な時間があるってのも割と苦痛だったから、それを埋めるように子供が入ってきたって感じ。

 

逆に今も自分のことで精いっぱいっつーか、やりたいことだらけで時間が全然足りなーいってキラキラしてるような人達は、まだ全然結婚の気配なかったりする。

 

俺は俺でそうやってキラキラして仕事以外の何かでとても充実している人を見ると、凄くいいな、羨ましいな、自分も何か好きなことがあるといいなって思うんだけどさ。

 

まあ色んなことに対して本当に興味沸かないんだよね。ついでに、いざやってみたら楽しいようなことであっても、続けることに対して億劫さが勝つ確率が凄く高いと思う。

 

そういう意味では、「子育て」っていうのは、そういう「何もなくなった自分」にとっては、とても救われるものがある。

 

はぁーあ、子供が小さいし二人もいるから休日も碌に遠出できないぜーなんて堂々と言えるのだ。

 

きっと子供がいなくても面倒くさがってどこにも行かないのに。

 

で、何もやることがない時期が数年続くと、多分それがかなりのストレスになる。

 

それが、子育てに追われている、子供の面倒を見ている、というだけで、ありがたいことに、何だか自分が凄くまっとうな余暇の使い方を出来ているような錯覚に陥れる。

 

そう考えると、そういった面でも子供に対して凄く感謝したい。

 

無趣味な暇人にとっては、育児は最高の趣味になるんじゃないだろうか。

 

勿論プレッシャーもあるよ。稼ぎ続けなきゃいけない。絶対に辞めれないって。

 

悩みだって沢山出てくるよ。子供の病気だったり集団生活だったり教育だったり。

 

でも、そういった面も全部ひっくるめてイベントになるんだよね。

 

一人でなーんもしてなかったら味わえなかった喜怒哀楽なんだよね。

 

あじゃあ子供が独立する20年後以降はどーすんのって話なんだけどさ。

 

ちょうど50代前半かー。

 

何か見つけてないと、中年の闇に飲み込まれて死にかけてるかもしんねーな。

 

ほら、TOKIOの山口も離婚してからそーなったし、AAAのなんちゃらも30半ば超えて独身でやらかしたし、KAT-TUNのメンバーも割と大抵ヤバイことになってね?磯野貴理子の若い旦那も30前半迎えてやっぱ子供欲しいっつって離婚したわけでしょ。

 

多分さー、独り身でいて生き甲斐らしい生き甲斐がハッキリしてないと、日々噛みしめられるような多幸感を感じられていないと、中年の闇は思ってるよりずっと早くやってきて、30代~40代には慢性的に疾患するんじゃねーかな。

 

まぁ結局、子供に愛情を注ぐことは、いずれ必ずやってくるそれの先延ばしにしか過ぎないのかもしんないけど。

 

なんのために生まれて、なにをして生きるのか。

答えられないなんて、そんなのは嫌だ。

なにがキミの幸せ、なにをして喜ぶ。

わからないまま終わる、そんなのは嫌だ。

 

大人になってから気付く、やなせたかしの凄さな。

アンパンマンすげー。永遠のテーマやん。