冷凍都市のくらし、アイツ姿くらまし

独立して5年経った個人事業主のあれこれ

止まらない焦燥感、鉄風鋭くなって

このご時世、もう正社員だろうが自営業だろうがあまり関係ないと思うが、俺の場合は常にとてつもない焦燥感に駆られている。


日頃から焦燥感に駆られているせいか、いきなり10連休とかあっても正直大して安心感を持てない。体の芯から謳歌できない。というか、謳歌の仕方を心と体がすでに忘れかけている。例え仕事が休みだったとしても、やることがない、落ち着かない、そういう人もそこそこ多いんじゃないだろうか。


さて、突然だが、我が家の出費は毎月必ず40万以上は飛ぶ。50万を超えることもよくある。

40万、50万と聞くと、なんだか相当な浪費家に思われそうだが、決してそんなことはない。

 

まず税金と年金だけで毎月10万ちょい。それに住宅ローンの返済額と、仕事で使うオフィスの家賃、水道光熱費、通信費、生命保険などの固定費が20万ちょい。これらの合計額が30万ちょいだ。ここから先がようやく個人的には可処分枠になるのだが、食費、被服費、日用品、学費、交際費、図書費、交通費、趣味etc…これらを10万程度で済ませて総額40万オーバー。というのが、我が家のザックリとした家計簿だ。


これに家電や家具の買い替え、実家への帰省などのイレギュラーが1つでも加わると、あっという間に、その月の出費合計額は50万オーバーとなる。
 

正直10万円なんて、実家暮らしの新卒リーマンからしても、大して自分の為に使えてないなぁ…と思う額じゃないだろうか。一ヶ月が30日間ある中で、どこかの土曜日に繁華街を歩いていて見惚れた中堅ブランドのアウター服を2着買ったらもう残り5~6万円。さらに、どこかの日曜日にライブや舞台などのイベントに友達と1回参加して、感想を語り合う為に何軒か飲みにでも行ったら、もう残り2~3万円。あ~やべ、まだ今月28日間もあるのに…。そんなレベルだ。インスタ映えとか気にしてるような一般的なリア充生活を送るには、あまりにも心もとない金額だ。


その10万+αくらいの金額で、4人家族の一ヶ月の生活費を大抵まかなっているのだから、俺も家族も大して贅沢はしていないはずだ。
そんなこんなで、月々にして45万円~50万円、年間にして540万円~600万円程度の出費で、幼子二人を抱えて、なんとか野原ひろし的な生活をここ数年は実現できている。

 

ちなみに嫁はずっと専業主婦だ。働きたくねーと言っていたし、子供が好きなので、家事育児に専念して貰って、その分、俺が必死に稼げばいいと思ったのだ。

 

幸い、サラリーマン時代と違って、今は自分の努力と運次第で、年収をいきなりグンと伸ばすことは一応可能だ。今の昭和的な一馬力スタイルを選び取った時、そこに懸けたというか、あえて楽観的でいたのだ。

 

だが、本当の地獄はこれから始まるのだ。

何故なら、いま現在子供2人には、ほとんど金がかかっていないからだ。

 

これから小学生、中学生、高校生、大学生と子供の年齢が上がっていくのに比例して、この可処分額10万円が15万、20万、25万、30万と上がっていく可能性は極めて高い。

 

仮に、子供二人が私立高校に通うようになって、私立もピンキリではあるが、毎月の授業料を一人あたり約6万円だとした場合、それだけで12万増える。

 

制服代やら教科書代やら参考書代やら予備校代やら修学旅行代やらその他諸々の学費を入れたら20万以上なんてあっという間だろう。

 

当然スマホも持たせているだろうし、多感な思春期だ。プライベートにおける身だしなみにもそれなりに金はかかる。

 

すると、親である俺は今と全く同じ生活をしていたとしても、毎月の出費は60万だの70万だの、ヘタしたら80万になる月も出てくるだろう。

 

仮に70万。これを一つの基準にしたとしよう。

 

すると、年間で840万円の出費となる。

 

恐ろしい。本当に恐ろしい。死ぬほど恐ろしい金額だ。

 

ちなみに俺はいま現在、車を所有していない。

子供は小さいので、あった方が絶対に便利だ。それはよく分かる。

 

だが、持ちたくても持てないのだ。

所得1000万~1500万程度の雑魚では。

 

もし万が一、10年後に所得が700万程度まで落ち込んでいたらどうする?
仮に嫁がパートに出てくれていたとしても、貯蓄をする余裕なんて皆無だろう。

 

車を持ってしまっていたら、二馬力だったとしても、即赤字転落だ。

そう考えると、毎月数万円もかかる固定費は、あまりにもリスキーだ。

もちろん、田舎住まいではないからこそ出来る選択肢ではあるが。


このご時世で多いであろう、月給30万ボーナス年間100万ずつの年収460万×2の正社員共働き子持ち夫婦なども、正直ウチと状況はあまり変わらないんじゃないんだろうか。

 

彼らは働く上ではオフィスの家賃も通勤にかかる交通費も自己負担する必要はないが、その分、高い保育料が掛かっている。これからは無償化で保育料もなくなるかもしれないが、少なくとも、今まではずっとかかってきた。

 

それに車の保有率も高いだろう。共働きだからこそ、つい外食に頼ったり、夫婦ともに身だしなみを整える為の出費が増える場合も多いだろう。

 

こういう保育料・車維持費・外食・被服費・美容費等々を考えると、結局のところの出費は大して変わらないような気がしてならない。(まあ厚生年金・退職金などの社会福祉は自営業と比べて収益的にとんでもなくデカいプラスなんだけど、ここでは子育て時に必要な目先の収支だけを考えるものとして)

 

つまり、こういう夫婦も今のままの生活を続けて、子供二人が私立高校を志望したら10年後には赤字ギリギリなわけだ。

 

もし旦那か奥さんがリストラされたり、止むを得なく望まない転職をしたり、心や体の病気になったり、片方に何かあればその時点で即詰みかけることも多いだろう。


…こう考えると、親から受け継いだ土地持ち、家持ちという人は、それだけで物凄くアドバンテージがあるんだということが、痛いほどによく分かる。


田舎はよく知らないが、賃貸にしろ分譲にしろ、東京都外のベッドタウンでも3LDKなら毎月家賃に10万程度は最低かかるんじゃないだろうか。東京郊外なら15万~25万程度だろうか。
それが固定資産税と修繕積立だけの月数万円で済むのは、あまりにも、あまりにも大きい。残債なしの家と土地がある。それだけで人生が変わると言っても過言ではない。

 

と、愚痴りつつも、要は何が言いたいかというと、「子供二人を中学まで公立で高校~大学は私立に行かせる」というのは、散々巷でも言われ尽くされてきたが、改めるまでもなく、当然のことながらやっぱりとんでもなくハードルが高いということだ。

 

 

そして、子を持つ親なら、まず間違いなく皆このぐらいの大まかな出費の算段はつけているだろう。常に意識しているだろう。

 

そりゃあ年1回か2回程度は近場でも沖縄でも北海道でも、どこかしら楽しい観光地に何泊かさせてあげたいよ。

ディズニーランド、ユニバーサルスタジオジャパン、毎年連れて行ってあげたいよ。

できるならハワイにも連れていってあげたいよ。

やりたいって言う習い事を可能な限り何でもさせてあげたいよ。

希望の大学に通う為に一浪ぐらいだったら仕方ねぇなって、させてやりたいよ。

こども手当は当然のように一切手をつけずに、子供を社会人として送り出す時に全額そのまま渡してあげたいよ。

子供が持った本気の夢や目標を「お金がないから」っていう理由で却下することだけは何があっても避けてやりたいよ。

 

皆そう。大抵そう。親なら同じようなことは考えてる。

 

いくらいるんでしょうね、お金。

いくら稼いでもキリがないくらいにかかりますよね、お金。

 

俺は自分が稼げない奴だからっていう理由で、愛すべき家族に迷惑を掛けたくないのだ。

 

だから、焦燥感が止まらない。