嫉妬の向かう先
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190404-00000036-sasahi-life&p=2
上の記事でのひろゆきの発言「みんな嫉妬の対象がズレてる」「なぜ庶民は政治家何世みたいな何もしないでいいような生まれつきの金持ちを妬まず、一代で社長になったような実力者を叩くのか」は、多分ひろゆきと庶民との間でそもそもの根底の認識が食い違っているから生まれた意見なのだと俺は感じた。
あくまで個人的な考えだが、おそらく、生まれつきの金持ちってのは、心のどこかで庶民から勝手に見下されてるケースも多い気がする。
「まあアイツは何億も持ってるしコネも物凄いけど、所詮は全て先祖からただで受け継いだだけだしな、そりゃ嫌味もなくイイ奴だけど、個体としての純粋な能力だけならてんで大したことない。むしろ、アイツがもし仮に凡人として生まれてたら、まず間違いなく俺の方が上等な人生を歩んでたんじゃないかな?」
みたいな。
生まれつきの金持ちって、庶民からこういう風に心の奥底で思われやすい。
本質的なところでは自分と大して変わらない人間だろうという思い込みによる安心感がどこかにある。
逃げ道が残されている分、溜飲を下げやすい。
つまり、庶民である自分のプライドは根本的にさほど脅かされない。
だから、生まれつきの金持ちはよっぽどヘイト買うような言動を起こさない限りは、言うほど庶民から攻撃されない。
だが、成り上がりで資産家になった者に対しては違う。
平凡な自分と同じくらい、あるいは下手したら自分よりもっと恵まれない環境にいながら見事自身の力だけで成功をおさめた実力者…。
そういう彼らに対しては全く言い訳ができない。自分の全てを上回っている。間違いなく。絶対に。逆立ちしても勝てない。と、庶民は嫌になるほど理解させられてしまう。
つまり、勝手に比較して根本的なプライドをこれでもかと脅かされてしまう存在だ。
しかも一代で成り上がった実力者というのは、大抵の場合、自分の事が大好きで、自信満々で、自分の中の芯に揺るがない信念や夢や野望をしっかりと携えている。
それらは、先祖から莫大な資産を受け継いだ選ばれた者達ですら、中々持ち得ないものだ。自らをパイオニアとして勝ち続けてきた、運と実力の両方を兼ね備えた更に選ばれた者たちだけが成功の副産物として手に入れることのできる宝物だ。
庶民は、そんな彼らの性格も許せないのだ。
自らの矮小さが、より際立ってしまうから。
だから、庶民は成り上がりこそに強く嫉妬し、成り上がりこそを激しく叩き続けるんじゃないか。
そう感じた。