憧れのフリーランスの実態
独立して数年が経ち、税制について調べれば調べるほど、
日本という国が、いかに庶民の蓄えを否定しているか、
小金持ちになることを望んでいないかがよく分かるようなった。
以下、所得税の一覧
(※所得税額=課税総所得額×税率-控除額)
【195万円以下】
・5% 控除額0円
【195万円を超え 330万円以下】
・10% 控除額97,500円
【330万円を超え 695万円以下】
・20% 控除額427,500円
【695万円を超え 900万円以下】
・23% 控除額636,000円
【900万円を超え 1,800万円以下】
・33% 控除額1,536,000円
【18,000,000 円以上】
・40% 控除額2,796,000円
【4,000万円超】
・45% 控除額4,796,000円
例えば、独立して数年後に個人事業主が必死こいて900万稼いだとしよう。
いや、もっと言ってしまえば、売上自体は1,500万ぐらい到達してる。
・・・凄くない?毎月125万も稼いでんだぜ?たった一人で。
一般リーマンの何倍だよ、社会保障の事とか考えてもざっと3人分ぐらい?
マジ血反吐吐いてすっげー頑張ってるよ。キラやば~☆
でもビジネスには経費がかかる。仕入れとか外注とか。
それを差っ引いて純粋に手元に残ったお金、それが900万だ。
月ベースに直せば75万だ。それでも凄い。よっ部長!この売れてるホスト!
だが、容赦なく所得税で持って行かれる。
上の表に従うと33%。つまり900万なら297万だ。
それに控除額である153万を引く。297-153=144万。
まず、稼いだことへの罰として144万が税金で持っていかれる。
【現時点での残金】
900万-144万=756万円。
まぁ…これならなんとか…。
「ブブー!ざーんねーんでっしたー!」
おーっと、ここで消費税くんが登場だァァァァッ!!
実はこの個人事業主、去年も一昨年も売上は1000万を超えていたのだ!(絶望)
さて、するとどうなるか。
売上1000万以上を達成した2年後に、罰として消費税を取られます。
消費税はもう10%に上がるのが決定しているので、10%にしていこう。
売上1500万(うち消費税150万)ー仕入れ代金600万(うち消費税60万)=90万円。
90万円が消費税としてぶんどられます。
【現時点での残金】
756万-90万=666万円。
うぐぐ…元の900万に比べたら…だいぶ減った…。
ハァハァ…でも…まだ…月にして55万はある…。
これなら…まだ貯金もなんとか…ハァ…ハァ…。
健保「おいおい」
市県民税(住民税)「オレたちを」
年金「忘れて貰っちゃ」
事業税「困るぜっ♪」
固定資産税「ほう、炭酸抜きコーラですか…」
生命保険(あるいは団信)「オイオイオイ、死ぬわアイツ」
ザックリいこう。所得900なら健保+市県民税で
住んでる市町村にもよるが、大体120万ぐらいはいく。
さらに年金。最底辺の国民年金だとしても一人あたり年19万。
専業主婦の奥さんがいれば倍ヅケドン!38万。
事業税。これも業種に寄るがまあ適当に見積もったら30万ぐらいだろうか。
【現時点での残金】
666万-120万-38万-30万=478万円。
……やめて…やめてよぉ…もうやめたげてよぉおおぉっっ!!
気付けば900万あった残金はあっという間に478万…っ!!
利根川先生「ブチ殺すぞ…ゴミめら…っ!」
「いいか…!金は命より重い…!重いんだ……っ!!」
利根川先生に感銘を受けて命を削って頑張って稼いだのに、
見るも無残、約47%は税金で持っていかれ残りは半分。
さらに一軒家やマンションを購入していれば固定資産税で年10~20万、
自分が死んだときに家族にローンを残さないように大抵の人は
団体信用生命保険や普通の生命保険も加入しているので年10~20万。
こうなると可処分所得として残った純粋な金額は、
たったの448万円前後。
月にして手取り37万円(ボーナスなし)の出来上がりである。
会社がタダで用意してくれた備品や資材や人材や取引先やオフィスを使わず、
一人で、たった一人で全て用意して、0から1500万もの金額を生み出し
動かしたのに、たったの450万の稼ぎである。
そこから日々の住宅ローン返済やオフィスの家賃支払い、
光熱費、食費・日用品などの生活費、車維持費、教育費…etcを支払っていく。
さらに消費すればするだけ消費税10%がのしかかってくる。
……こんなん貯蓄なんて全然できるわけねーじゃん。
少子化なんて解決するわけねーじゃん。
強く、そう思いました。